2024年データ更新版
難易度の割に就職が良い大学があれば志望大学にしたい という受験生は多いのではないでしょうか?
この記事ではそんな要望にお答えします。
実は、大学を卒業して新卒で大企業に入社するということは、皆さんが思う以上に将来を左右する重要事項です。
なぜなら、ひとつの会社でずっと頑張る場合も、修行を積んで転職や独立開業する場合も、新卒で皆が知っている大企業で働いていたという経歴が個人の信頼性を高めてくれるからです。
私の人事担当者としての経験からも、中途採用の判断基準として過去の経歴とくに新卒時の社歴は重視していました。人事の裏事情として、有名企業が採用した人材ということで評価がプラスとなり、上司や役員のOKがとりやすいことが挙げられます。
当然、入社後は実力勝負ですが入口の選択肢が広がることは重要です
この記事では、大学入試の難易度と有名企業400社実就職率データのギャップから、入試難易度の割に有名企業就職率が高い大学をピックアップします。
この記事を読むと、就職という観点で偏差値とは異なる実際の状況を知ることができるので、自分の目的に合った志望大学選びの参考にすることができます。
大学通信 2024年有名企業400社実就職率ランキング
先ずは大学通信が毎年公表している全国555大学の有名企業400社の実就職率が高い大学ランキングを見てみましょう。(大学通信ONLINEより抜粋)
<表の見方> 大学通信ONLINEより
就職者数調査に回答のあった555大学のうち、有名企業400社の実就職率が高い100大学を掲載(7月28日現在)。東京大や京都大など未回答の大学は掲載していない。大阪公立大は、統合前の大阪市立大と大阪府立大、大阪公立大の大学院修了者の合計を掲載した(2023年・2022年は大阪市立大と大阪府立大の合計値)。
実就職率(%)は、400社への就職者数÷〔卒業生(修了者)数-大学院進学者数〕×100で算出。同率で順位が異なるのは、小数点2桁以下の差による。
設置の※印は国立、◎印は私立、無印は公立。「-」はデータがないことを表す。大学や年により、一部の学部・研究科を含まない場合がある。
有名企業400社は、日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定。
日本経済の成長基調を反映して、過去数年の有名400社への実就職率の減少傾向からここ数年は回復に転じています。そのため上位40校では20パーセントを超える結果となっていて、卒業生のうち5人に1人以上が有名400社に実際に就職したという結果が出ています。
国立優位、理工系優位 の傾向
結果をざっとみると、傾向は変わらずトヨタ系の豊田工業大学を除き旧帝一工と早慶上理といった難関大学が上位に並びます。入試難易度が高い大学は就職もよい、逆に言えば就職が良いから難しいということがデータに現れています。
傾向として若干国公立が多いことが見受けられます。調査は人数ではなくて率の比較ランキングですので、卒業生の人数が少ない国公立は学生ごとのばらつきが少ないことが理由かもしれません。
また、理工系大学が多いことが見受けられます。もちろん総合大学では合計の就職率ですので判断ができませんが、引き続き旅行やサービスなど文系の人気企業が採用を抑える傾向が反映されているようです。
さて今回の記事のメインテーマ、入試難易度の割に有名企業就職率が高い大学という観点でみると?
有名企業就職コスパランキング ベスト3
第1位 芝浦工業大学
400社就職率 36.1%、11位 偏差値(河合塾) 55.0
第2位 豊橋技術科学大学
400社就職率 29.7%、20位 偏差値(河合塾) 47.5
第3位 長岡技術科学大学
400社就職率 24.9%、29位 偏差値(河合塾) 45.0
※国公立と私立では科目数や方式が異なるため一概に比較できませんが、偏差値については便宜上私立=国公立+5程度として平均的な学部を用いて比較しています
(河合塾入試難易予想ランキング表 2024年10月データを参照)
結論としてやはり理工系大学のコスパが高いと言えます。
第1位 芝浦工業大学 就職率 36.1%、11位 偏差値(河合塾) 55.0
堂々の1位は就職の良さでは言わずと知れた芝浦工業大学。東京に本部を持つ工科系大学とともに四工大の一角とも言われますが、実情として四工大の中では頭ひとつリードしている感があります。有名企業400社就職率25.3%を誇り、4人に1人以上が有名400社に就職。大学入試では格上の上智大学や同志社大学を上回り早稲田大学に迫る結果となっています。
河合塾偏差値ランキングから偏差値55としていますが、学部学科試験方式により50〜60の幅がありますのでここでは間をとって偏差値55としています。
卒業生のの活躍とイメージ戦略でメキメキとブランド力をアップしてきている芝浦工業大学です。今後は入試難易度が上がり続けると思われますので、穴場とかコスパが高いと言えるのも今のうちだけかもしれません。つまり今がラストチャンスかも?
注目! 芝浦工大のW合格者進学データ
実際に併願してW合格した受験生がどちらの大学を選んでいるかを知ると、より現実を知ることができますね。
第2位 豊橋技術科学大学 就職率 29.7%、20位 偏差値(河合塾) 47.5
2位となったのは、愛知県豊橋市にある工業系の国立大学である豊橋技術科学大学です。有名企業400社進学率 29.7%を誇り、旧帝の一角である九州大学の21位を上回る結果となっています。共通テスト得点や科目配分など一概に比較は出来ませんが、河合塾偏差値ランキングでは偏差値42.5となっています。(ここでは国公立は+5で比較)
豊橋技術科学大学は、実践的な技術の開発を主眼とした教育研究を行う大学院に重点を置いた工学系の大学として、高等専門学校卒業生を主たる対象とする新構想の下に1976年に設立されています。設立の目的から高い技術力と専門性が伺えます。
第3位 長岡技術科学大学 就職率 24.9%、29位 偏差値(河合塾) 45.0
3位は、知る人ぞ知る新潟県長岡市にある工業系の国立大学である、長岡技術科学大学です。有名企業400社進学率 24.9%を誇り、なんと格上の筑波大学や千葉大学などの偏差値が高い国立勢を上回る結果となっています。河合塾偏差値ランキングでは偏差値40.0となっています。本当に?と目を疑う数値ですが、知名度と立地によるものでしょうか。
第1位の豊橋技術科学大学と同じく、高等専門学校卒業生を主たる対象とする新構想の下に1976年に設立されています。少人数でしっかりと高い技術力と専門性が学べる体制が伺え、企業の評価が高い所以と考えられます。
有名企業400社への実就職率ランキングと入試難易度とのギャップをベースに、有名企業就職コスパがよい大学を選定しました。
結果はいかがでしたでしょうか?大学受験の延長線上に就職を考えた場合に、入試の難易度とは異なる結果が見えてきます。就職時点での景気やトレンドに左右されることは仕方がありませんが、とくに人気有名企業に就職したいと考えている方は参考にしていただければと思います。
私のメーカー勤務の経験から、今回ご紹介した3大学出身者は実際に他の難関大学に引けを取らず出世している傾向があり、海外現地法人社長や技術系役員になっている例が散見されます。
理由として、3点が考えられます。
①専門性のマッチング
メーカーでは商品に関する技術と本人の専門性がマッチすると活躍の場が広がりチャンスが増えます
②プラスアルファの能力
専門技術をしっかり学んでいる前提で、英語力や建築士などの資格があると活躍の場が広がります
③先輩が多い
就職する学生が多いということは先輩が多いということになりますので、同じ大学出身者が会社幹部や仕事仲間に多いと仕事のチャンスが広がります
大学入学後は、専門分野に加えてプラスアルファを心がけてください
過去のデータが気になる?
傾向に大きな違いはありませんがランキングに変動あり!
2023年有名企業400社実就職ランキングの穴場大学検証はこちら
2021年有名企業400社実就職ランキングの穴場大学検証はこちら
【この記事を書いている私は】
◉学歴は親からの贈り物!が信条
◉息子の受験を二人三脚で併走した受験生の親
◉息子は地元公立高校▷横浜国大▷東工大院
◉受験には親のサポートが必要と考え、忖度ない情報を収集・発信中
学歴は親からの贈り物 が信条!周囲の中学受験を横目に息子は小中高は公立育ちで公立高校からの大学受験に臨むことになり、まずは親が情報を集めていく中で受験の真実を学びました。
難関大学受験の観点で私立や中高一貫ではない公立高校は負け組か?答えはNOです。理由は、大学受験は最終的には独学と自学自習だから。
最後に勝ちたい受験生と、受験生の親御さん注目!
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